パーム油はアブラヤシの果実から得られる植物油です。パーム油は多用途に使われるだけでなく、単位収量が他の植物油脂と比べて非常に多いので安価です。その為、世界で使用される植物油脂のトップとなっています。主な生産地はインドネシア・マレーシア等の東南アジアです。十分な日照と高温多湿の気候が栽培に適しているからです。
RSPO=持続可能なパーム油へ・・・桜井食品がすべきこと
パーム油とは
パーム油生産に伴う諸問題
熱帯林・泥炭湿地林などの伐採
保護価値の高い自然林や泥炭湿地林などが無計画に伐採され、失われています。
森林火災・泥炭火災
農園造成の為、伐採前後に「火入れ(焼き畑)」をする違反が横行し、温室効果ガスの排出と煙害(ヘイズ)が問題化しています。
生物多様性の消失
東南アジアの熱帯林には、貴重な野生動物の宝庫でしたが、農園への転換により生物多様性に影響を与えています。
他にも、土地をめぐって先住民との紛争や児童の労働や労働安全等の労働環境の問題など、不適切な開発により多くの問題を抱えています。
パーム油をボイコットすべき?
問題の多いパーム油・・。
パーム油製品の不買運動に参加する?
パーム油の生産国のほとんどは途上国です。パーム油に関わる仕事が基幹産業の一つとなっています。全ての生産者が問題を引き起こしている訳ではありません。パーム油を一括りにしてボイコットする事は問題解決にならず、マイナスとなる可能性があります。
また、世界で一番多く利用されているパーム油を他の植物油脂へ代替する為には、パーム油以上の耕作面積が必要となります。パーム油は、他の植物油脂と比べ単位面積当たり5~8倍の油を収穫できます。その他の植物油脂を増産し代替えするには、新たに必要となる耕作面積はどうするのか?現に南米では、大豆プランテーション開発において同様の問題を抱えています。
問題の本質は、パーム油自体ではなく生産方法に問題があるのです。
桜井食品がすべきこと・・・持続可能なパーム油(RSPO)へ
今後もパーム油を使い続ける為に必要な事
2004年にRSPO(持続可能なパーム油の円卓会議)が設立されました。
RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)
持続可能なパーム油の生産と利用を促進する事を目的とし、
国際的な認証基準を策定し運用を行っています。
持続可能なパーム油=RSPO認証油
様々な社会的問題を踏まえRSPOは持続的なパーム油生産に求められる法的、経済的、環境・社会的要件を「原則と基準」としてとりまとめ、8つの原則の下に43項目の基準が定められ、基準に合うものからRSPO認証油として、利用の推進を求めています。
<8項目の原則>
- 透明性へのコミットメント
- 適用法令と規則の遵守
- 長期的な経済・財政における実行可能性へのコミットメント
- 生産者、搾油工場の適切なベストプラクティス
- 環境への責任と自然資源、生物多様性の保全
- 農園・搾油工場労働者、影響を受ける地域社会への責任ある対応
- 責任ある新規農園開発
- 継続的改善へのコミットメント
例えば、新規開発において原生林はもちろん、二次林であっても、自然保護上または地域住民の生活に重要な場所であれば開発が認められない事や希少種、絶滅危惧種の生息地がプランテーションの中に存在する場合、その保全について経営計画や業務において考慮されなければならない事などを定め、環境的かつ社会的に持続可能なパーム油を推進しています。
桜井食品は、2018年12月にRSPO※に加盟し、RSPO認証パーム油を使用した即席ラーメンの製造を2019年11月より開始しました。
※RSPO=持続可能なパーム油の円卓会議
(Roundtable on Sustainable Palm Oil)
一層推進して参りたいと考えております。